回廊の頂には、歴史とボヘミアン・グラスの伝統を万国博覧会の文脈において繋げる要素が置かれています。現代的なガラスデザイン技術を駆使した2作品の隣に、最後のニッチではレネー・ロウビーチェクによる彫刻作品の現物が展示されています。未知の存在を思わせる有機的な形のこの作品は、1960年に制作されたもので、現在はレネという名前のもと、チェコバビリオンのマスコット的存在として位置づけられています。
レネー・ロウビーチェク(1922–2018)は、チェコのガラス工芸の名高い伝統を代表する人物のひとりです。1958年のブリュッセル万国博覧会では、金属とガラスを組み合わせた空間的で立体的な抽象作品でセンセーションを巻き起こし、グランプリを受賞しました。その後、カレル・マリフ、スタニスラフ・コリーバル、スタニスラフ・リベンスキー、ヤロスラヴァ・ブリフトヴァーといったチェコスロバキアの美術界の重要人物たちとともに、1970年の大阪万博にも参加しました。
アルフォンス・ムハとレネー・ロウビーチェクの彫刻が置かれたニッチは、クリスティーナ・クリーコヴァーによるグラフィックが施され、最新デジタル印刷技術Wall-inkで仕上げられています。